持続可能な社会と教育
ESD
最近、「持続可能な社会」という言葉を新聞や雑誌で目にする機会が増えました。「持続可能な社会」や「持続可能性(サスティナビリティ)」というとどこか難しい概念のようですが、私自身は次のようにシンプルに捉えています。つまり、他者よりも「多く・大きく・速く」というイメージではなく、みんな「ほどほどに、仲よく」というイメージです。特に「国連・持続可能な開発のための教育10年(DESD)」(2005~2014年)を契機に、より大きくより速く成長し続けるような社会のあり方を見直し、自国ばかりでなく地球社会全体のことも、そして、現代に生きる自分たちだけでなく次世代のことも考えて、みんなが安心して生きていけるような「世直し」運動が世界各地ではじまっています。永田研究室でも、研究調査プロジェクトに着手し、いくつかのメッセージとしてまとめつつあります。以下、永田がかかわったプロジェクトの成果報告をご紹介いたします。皆さんのご意見等もぜひお寄せ下さい。
- JICAによる国際教育協力(市民参加協力事業)
- ODA(政府開発援助)による国際協力
- 科学研究費による研究成果報告書
- ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)によるESD事業
- 国際交流基金によるESD関連プログラム報告書
- 日本ホリスティック教育協会及びACCUによる国際ワークショップ及びシンポジウムの成果報告(2007年度)
- 国立教育政策研究所及び文部科学省によるシンポジウム報告書
- 環境省による「+ESDプロジェクト」
- 助言者として関ってきたESD実践校
- ESD関連のスタディツアー
- 高等教育におけるESD
1. JICAによる国際教育協力(市民参加協力事業)
永田研究室ではJICA(国際協力機構)による途上国へのESD支援事業を行なっています。スリランカのペラデニヤ大学と共にJICAの支援のもと、貧しい地域の公立小学校が「環境/ESDセンター」になるように協力関係を築き、計画に着手しています。
「公立学校を拠点としたゴミ問題解決のためのグリーンユース・コミュニティ形成事業」
2. ODA(政府開発援助)による国際協力
永田研究室では、2度にわたり、現地の政府及びNGOと協働でラオスの持続可能性という問題に取り組んできました。急成長目覚ましいラオスにおいて開発のあり方を問い直し、教育の方向性を共に考えるプロジェクトです。以下、具体的な成果物です。
2012年度
発展途上国の農村部及び都市部における<ESDコミュニティ>の構築
ラオスで作成されたポスター、DVD(ビデオ)、ブックレット(4冊)
2010年度
発展途上国における<ESD広域モデル>の構築に向けた基礎調査及び視聴覚教材の作成・普及
事業報告書(日・英)、ビデオ(フィールド調査の光景)、ビデオ5番組(ラオスの伝統知)、リーフレット
3. 科学研究費による研究成果報告書
2015〜2017年度
「気候変動と教育に関する学際的研究:適応と緩和のためのESD教材開発と教員研修」(挑戦的萌芽研究)
もっか進行中のプロジェクトです。 ESDの具体的な領域として気候変動に関する教育を取り上げ、ビデオ教材の開発を目指して、現場の先生とアーティストと研究者が恊働で取り組んでいます。
2012〜2015年度
「アジア諸国における教育の持続可能性とレジリエンスに関する総合的研究」(基盤研究B)
レジリエンス(しなやかな強さ)をキーワードに、アジア太平洋地域の5ヵ国(インドネシア・スリランカ・ニュージーランド・フィリピン・日本)の被災地でアンケート調査を実施し、学校のレジリエンスについて国際比較をしました。ESDという包括的な概念のもとに防災(Disaster Risk Reduction)は位置づけられていて、本研究は持続可能な教育社会のあり方を明らかにすることを目的に実施されました。詳細は、次の報告書及び本ホームページ「科研費による研究」をご覧下さい。
2008〜2011年度
「東アジアにおける持続可能な開発のための教育」の学校ネットワーク構築に向けた研究(基盤研究B)
欧州のバルト海沿岸諸国が実施するバルト海プロジェクトという国境を越えた恊働学習プロジェクトに感化を受け、アジアにおける国境を越えた問題解決学習の可能性と課題を明らかにするために実施された研究調査です。期せずして最終年度に東日本大震災が起き、急きょ6ヵ国(ロシア・中国・モンゴル・韓国・台湾・日本)で若者主導の放射線測定プロジェクトも開始し、日・英語の報告書にまとめました。
放射線測定プロジェクト報告書(英文)
- Challenges of UNESCO ASPnet
- Youth-Led Cross-Border Radiation Measurement Project in East Asia
- 'Youth-Led, Cross-Border Collaborative Radiation Measurement Project: Results and Issues'. (Co-author: Naoko Yoshida). The Journal of the Victorian Association for Environmental Education. EINGANA. Vol. 36, No. 3. (ed. by I. Sutherland). pp. 7-9. (電子版なし)
2007年度
「アジア太平洋地域の持続可能な開発のための教育に関する国際研究集会に向けた企画調査」(基盤研究C)
「国連ESDの10年」のスタートに併せて開始されたESD関連の国際研究集会での情報共有を目指した企画調査です。電子版リーフレットは改訂中ですが、報告書等は下記のサイトからダウンロードできます。
- 「アジア太平洋地域の持続可能な開発のための教育に関する国際研究集会に向けた企画調査」報告書
*その他の科研費による研究については「科研費による研究」のページをご覧下さい。
4. ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)によるESD事業
永田研究室ではユネスコ・アジア文化センターのESD事業に協力しています。以下は成果報告書及び国境を越えた恊働学習であるRICE Projectなどの活動に関する情報です。
- Tales of Hope III 報告書(英文) 2012年
- Tales of Hope II 報告書(英文) 2009年
- 『未来へのまなざし - アジア太平洋 持続可能な開発のための教育(ESD)の10年』
- Tales of HOPE(上記『未来へのまなざし』の英文報告書):
Grassroots Activities of Education for Sustainable Development (ESD) in Asia and the Pacific 報告書(英文) 2007年 - RICE Project(「お米」をテーマにした問題解決型の国際恊働学習)ESD Rice Project
5. 国際交流基金によるESD関連プログラム報告書
国際交流基金の「21世紀東アジア青少年大交流計画」(英文名:JENESYS Programme)の一環として下記の事業を実施しました。
2012年度「テーマ:困難を乗り越える「しなやかな力」(レジリエンス)を育む取組み」(Fostering ‘Resilience’ to Overcome Hardships)
2011年度「テーマ: 社会保障と福祉:社会的弱者の自立と共生」(Self-Reliance of the Socially Vulnerable and Globalized Community)
2010年度「テーマ:自然と文化による豊かな環境づくり:ESD(持続可能な開発のための教育)と環境教育」(Education for Sustainable Development)
6. 日本ホリスティック教育協会及びACCUによる国際ワークショップ及びシンポジウムの成果報告(2007年度)
国際交流基金の「21世紀東アジア青少年大交流計画」(英文名:JENESYS Programme)の一環として下記の事業を実施しました。
- Roots and Wings: Fostering Education for Sustainable Development: Holistic Approaches towards ESD.
7. 国立教育政策研究所及び文部科学省によるシンポジウム報告書
- 和文報告書 『持続可能な開発と21世紀の教育:未来の子どもたちのために、今、私たちにできること』
- 英文報告書 『Sustainable Development and Education for the 21st Century : What We Can Do Now for the Children of the Future.』
8. 環境省による「+ESDプロジェクト」
9. 助言者として関ってきたESD実践校
10. ESD関連のスタディツアー
スタディツアーページをご覧ください。
11. 高等教育におけるESD
- 「持続可能な社会の創り手育成に向けたPBLの推進」事業報告書(聖心女子大学のサスティナブル・キャンパスに関する調査報告
- 気候非常事態宣言(CED)(聖心女子大学の例:日・英語)
- 「大学における「深いESD」プログラムの開発と評価に関する実証的研究」
科研費 研究課題 JP20H01645(研究代表者:丸山英樹) 科研費
丸山英樹研究室(講義補助)* 永田研究室では研究分担者として参画させていただいています。
このウェブサイトの一部は次の科研費の助成により作成されました。
科研費 研究課題 JP20H01645「大学における「深いESD」プログラムの開発と評価に関する実証的研究」