オルタナティブ教育

オルタナティブ教育

諸外国のユニークな教育実践・理論の研究を通して、日本のオルタナティブな(「もうひとつの」)教育の課題、ひいては教育社会の課題を明らかにしています。人間の息づく社会には必ず自由の発露が見出されます。全体主義の社会でさえ、人々は地下に潜んでも自らの声で歌を歌い、劇を演じ、人間であることを表現しようとしてきました。人々が元気づいたり、社会全体が活性化されたりするのは、人が人として生きることを認められる自由な空間や時間が保証されてのことでしょう。

興味深いことに、公教育という教育の主流から逸脱し、又は、あえて主流に留まりながら自由な時空にこだわり、教育活動を続けてきた人々がいます。彼(女)らが価値を置くのは、子どもの「今」と「ここ」、そして「いのち」であり、そこでは子ども達が歌い、演じ、自己表現をしているのです。

これまでに、各国のこうした「学校」を「オルタナティブ・スクール」として捉え、歩き訪ねてきました。村人が自力でつくったボリビアの「土の学校」、タイの孤児のためのフリースクール(自由学校)、オーストラリアのシュタイナー学校、アメリカの自転車屋をベースにした学び舎、ロシアの祖先との繋がりを重んじた「人道学校」など、小さいながらも世の中にインパクトのあるメッセージを発しているオルタナティブ・スクールは世界各地に存在します。永田研究室では、そんな教育をはぐくむような社会のあり方、逆に、それを阻むような社会のシステムや目差しは何かについて探求しています。

オルタナティブ教育の国際比較研究については、次の書籍をご覧ください。